創業1907 明治40年

名張市松崎町1435-1
電話 0595-63-0955
代表者 福田 恭之
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■ 取扱商品・サービス

 神社仏閣の建具・家具の製作、販売、トイレブース・工場・事務所のパーテーション等から、戸車、丁番等の細かな修理まで行います。

作業場で木材を加工する7代目の福田恭之さん

■ 事業の沿革

 松崎町にある「株式会社福田木工」の奥様、福田恵子さんにお聞きしました。

 弊社はその昔、亀山藩とつながりがあったそうです。当時は大工として働いており、詳しい場所はわかりませんが、田原に住んでいたようです。その後、現在の松崎町へ文化年間(1804年から1818年)に移ったと聞いております。その時代はまだこのあたりに家がなく、当家と毛利家、あと一軒で三軒屋と言われていました。当時の屋号は田原に住んでいたことに因み、「田原屋」を名乗り、2代目福田幾造の建てた離れが近所に残っています。
 明治40年に3代目豊吉が建具、家具の制作を始めました。4代目寿男が屋号を「福田指物店」とし、5代目稔弘、6代目全秀と続き、稔弘が屋号を「福田木工」としました。
 現在、全秀の子である7代目恭之が法人成りし、「株式会社福田木工」として建具屋を継いで111年になります。現社長恭之は、6代続いた家業を自分の代で終わらせたくないと7代目を継いでくれました。ありがたいことです。

1800年代、大工だった2代目幾造が建てた離れが今も残っている

3代目の豊吉が額を寄贈した室生寺の「修円僧都廟」

■ 経営理念・特色

 修理等はなるべく迅速・丁寧に行うようしています。弊社に頼んでよかったと、お客様が喜んでいただける仕事をモットーに日々精進しています。”ありがたい・ありがとう” 感謝の心をいつも持ち続けることを心掛けています。

寄贈した額

■ 細かい仕事や修理こそ迅速、丁寧に

 7代目の恭之さん(40)に聞きました。

 Q 建具専門店は現在、市内に何店くらいあるのですか?
 A バブルの時期には10店以上あったようですが、3、4店に減りました。ふすまや障子、ドアなどの建具を製作するには、材料であるヒノキや杉、ナラなどにほぞ穴を開けたり、切り込みを入れたり、直角を出すためにさまざまな工具を使いこなす必要があり、建具職人が1人前になるまでには永い時間がかかります。
 また、ほとんどが現場に合わせて作る「別注品」です。

 Q 恭之さんは、いつごろから家業を継がれたのですか?
 A 6年前の34歳の時、父から経営を引き継ぎました。父の全秀は現在も現場で職人として働いています。

 Q 会社として昔から伝わっている考え方は?
 A 「修理には迅速・丁寧に対応すること」と何度も教えられました。建具が動かない、開かないなど壊れて困っているお客さまがいれば、優先して対応しています。

 Q 建具職人としてのやりがいと今後について教えてください。
 A 現在、近隣の神社や寺院から建具の製作や修理の仕事を請け負っています。歴史的に価値のあるものも多く、「ここに描かれている絵だけは残して、周囲の建具枠を更に直してほしい」といった要望もあり神経を使いますが、やりがいも大きいものがあります。
 今後、伝統的なものは守りつつも、常に何か新しいことに取組みたいと思っています。
 例えば、製作工程で出てくる廃材や削りくずなどを再利用できないかなど、アイデアはいっぱいあります。時代に合わせて仕事も少しずつ変えていきたい。また建具職人を育てるために貢献できればと考えています。

会社外観