創業1896 明治29年
名張市葛尾14
電話 0595-63-6906
代表者 平井 揚一郎
ウェブサイト
■ 取扱商品・サービス
平井亭の正面
本場伊賀牛、うなぎ料理、また夏には天然のあゆなど、旬の食材を生かした懐石料理を中心にお出ししております。
このあたりは14軒が集まって葛尾水道組合を結成。名張市の上水道を一切使わず、生活用水からお料理に使う水まで山の湧き水を使っております。
そのため、ミネラル分が豊富で口当たりもまろやかな特長があり、それが料理に生かされています。また、当店で使用する豆腐は近所の豆腐屋さんから仕入れていますが、美味しいと好評をいただいております。
■ 事業の沿革
初代平井音治郎が明治29年に創業し、その後熊治郎、藤太郎、隆敏と続き、現在、私、揚一郎で5代目です。行商や薬屋などの宿泊、道行く方をもてなす宿場として店を構えたのが始まりです。当時は、今のように予約する習慣がなかったので、常に店を開けてお客さんを待っていました。
昔、名張は初瀬街道沿いの宿場町として栄えましたので、たくさんの料理屋がありましたが、今はかなり減りました。店は川のほとりで風光明媚な景勝地に立地していることから、遠方からでも宿泊でお越しいただいております。また、地元のお客様からは宴会やお祝い事、仏事でご利用いただいております。なじみのお客様の中には、月に何度も食事を召し上がりにお越しいただいている方もいらっしゃいます。季節の会席料理は、そのときの旬のものを食材にしておりますので、季節が変わるまでは内容を変えませんが、そういう常連様にはそんなわけにもいかず、趣向を凝らし変化をつけています。
建物の老朽化により平成16年にお店を建て替えました。和の庄にふさわしい、純国産の松やケヤキを使い、宮大工さんに建ててもらいましたので、建付けがしっかりしており、木の香りが匂い立ち、和の雰囲気にピッタリだと好評をいただいております。
松やケヤキの木の香があふれる玄関の天井
客室の窓の外には美しい自然
客室
窓の外に広がる風景もご馳走だ。
■ 経営理念・特色
自然のロケーションの中で、地元の食材をできる限り使用し、手づくりの料理の出来立てを一ずつ出させていただいております。
■ 家族が協力し自然体で
Q 5代目の揚一郎さん(48)は28歳の時、先代の父、隆敏さんの急逝により、店を継ぐことになったのですね。
A 私はそれまで一般企業に勤めており、料理の事はもちろん料理旅館についても全く分かりませんでした。それでも長男として、100年以上も続いてきた店を絶やしてはいけないという気持ちがありました。それで調理人であった弟の康司、母親のみち代と共に家族が協力して店をやりくりしていこうと思いました。
Q みち代さんは4代目の奥さまとして支えてこられましたが、老舗ののれんを守るために大事にしていることは何ですか?
A のれんを守ろうと構えるのではなく、自然体でやっています。料理旅館としての基本の基本ですが、ご来店いただくお客さまに喜んで満足して帰って頂くことです。
そのために天然のアユや伊賀牛など、新鮮な地元の食材を一品一品手づくりし、出来立てをお出しするようにしています。年間を通してリピーターさんが多いのはありがたいことです。
Q 揚一郎さんは5代目として、今後の心意気を教えてください。
A 初代の音治郎が名張の中心街から離れた田舎に店を構えたことの意味を大切に、ここでしかできない料理旅館を目指したい。今までのやり方や考え方にとらわれず、時代の変化に合わせて変革しながら末永く続けていきたいですね。
5代目揚一郎さんの妻、真琴さん(右)とみち代さん